華麗なるレース (A DAY AT THE RACES)

日本盤発売日:1977年1月9日
イギリス盤:1976年12月10日(12月18日説あり)、アメリカ盤:1976年12月18日
イギリス盤初版:「A面:YAX 5245-1U」「B面:YAX 5246-1U」

ジャケットは米ELECTRAとほぼ同じデザイン。
「日本盤」は、米ELECTRAから送られてきたマスターテープの状態が元々良くなく、マスターテープに起因する音声のトラブルが多い。筆者は日本盤は聴かず、UK盤(-4U/-4U)で聴いていた。後に1999年になって「英国EMI企画・ミレニアムシリーズ」が発売された際、クイーンからは「A DAY AT THE RACES」が選ばれていたので、石丸電気で購入。プレスミスなど相変わらずなUK盤だが、現在はこちらをメイン聴き用にしている。UK盤はどの盤も「Good Old-Fashioned Lover Boy」は徐々に音量が上がっていく演出があり、「Drowse」は控えめな音量で入っている点など、日本盤LPとは大きく異なる(逆に言えば日本盤は、現代のCDの様なリミッター感がある)。「クイーンの楽曲で一番好きな曲は何?」と聞かれたら「White Man」と答える筆者だからこそ、本盤は良い音で聴きたいのだ。

黒とピンク色の帯、Wジャケットorデラックスジャケット(ゲートフォールド)、大貫憲章氏のライナーノーツ、各曲の日本語訳詞、ピンナップ(UK・US盤では同じデザインのレコード袋)、下敷き、レコードの保護用ビニール袋等。
クイーンは「トライデント社」からマネジメント事業を突き放し、「クイーン・プロダクション」を設立したが、各曲の版権は「トライデント社」が所有、ジャケット内側には「トライデントのロゴ」がある。
ライナーノーツは、「ZEPファン等のアンチクイーン派から攻撃を受けるクイーンファン」という図式しか頭に入ってこない。何が言いたいんだ?と思ったが、要するに「どちらも仲良くしてください」と言いたげな内容。「だよな〜同じワーナー・パイオニアのバンドだもんな〜」と思った事を思い出した。「どちらのレコードも買ってくださいね〜」と言わんばかりにしか読めなかったのだ。

「A DAY AT THE RACES」というタイトルは、前作同様、マルクス兄弟の同名映画から得たもの。
ロイ・トーマス・ベイカーの手を離れ、クイーン自身がプロデュースした本作。「動と静」という言葉は、この頃のクイーンのアルバムに当てはまると思う。まさに「動と静」。フレディのピアノの弾き語りがとにかく美しい「You Take My Breath Away(当時のライヴ中、ブライアンが唯一休憩を取れる曲)」。何故かグレイテストヒッツから漏れた「Tie Your Mother Down」はセッションの定番曲で、どこのセッションバーでも誰とでも一緒に演奏して盛り上がれるという、実に貴重な1曲だ。
(私がベース弾きだから言う訳では無いが)このアルバムからジョンはベースギターにラウンド・ワウンド弦を張る様になった。ベースの音の抜けが良くなり、筆者の最も好きなジョンのベースの音だ。「MusicManのベースを使ったのか?」などとずっと思っていたのだが、76年末にジョンは「Stingray Bass」を所有していなかった(ライヴで初めて使用したのが、77年2月11日フィラデルフィア公演であり、この北米ツアー中に入手していたと考えられている)。
「Somebody To Love」に触れない訳にはいかない。フレディ以外にこの曲を完璧に歌いこなせるシンガーを私は知らない。ジョージ・マイケルにしても、ポール・ロジャースにしても、アダム・ランバートにしても、何かしらごまかしながら歌っていた。もしかしたら本物のゴスペルシンガーでなければフレディの再現は不可能なのかも知れない。フレディの偉大さは「こんなシンガー達の存在」によってより浮き彫りになっていく。(ジョージ・マイケルはライヴで観客に歌わせていたが、リハーサルでも彼は歌っていなかった)

「日本盤」は残念ながら音質が良くなく、特にB面はマスターテープの状態が良くない。

それぞれの盤の見分け方は、「戦慄の王女」の項をご参照ください。

P-10300E
この頃から何故か複数のラッカー盤へのカッティングを行い、マザーを作る傾向にあった(詳細は「世界に捧ぐ」の項にて述べる)。この盤から再び「東芝プレス」に戻ったが、B面は音質が良くない(マスターテープに起因しているものと思われる)が、新たなカッティング作業が行われたのかは、現時点では不明。いきなりの「B面:1-B」というのも謎である。何より日本で初のNo.1を獲得したアルバムである。相当数の盤を製作し、それがことごとく売れた、という事では無かろうか。
プレス年月:1976年12月
A面:1-A-14
B面:1-B-15
ジャケット印刷:Ki A
ジャケット・カタログNo:P-10300E
ジャケット価格表記:無し


P-10300E
この盤が「A面:3-A」である為、76年12月プレス盤で「A面:2-A」という盤も存在する筈である(現時点で、筆者が所有している「A面:2-」盤は「1979年来日記念盤」のみ)(何故「A面」を3回カッティングしたのかは謎である。しかも「B面」のカッティングが1回のみ、というのは全く頷けない(テープの状態が悪すぎるからである)。
プレス年月:1976年12月
A面:3-A-9
B面:1-A-20
ジャケット印刷:Ki A
ジャケット・カタログNo:P-10300E
ジャケット価格表記:無し



P-6554E
「1979年の来日記念盤(2000円盤)」である。「1981年の来日記念盤」ではない(詳細は「戦慄の王女」の同項を参照)。初回プレスが「1979年1月」、本盤は「1979年3月プレス」である。「1979年」の「9」の文字を二度押ししている。
プレス年月:1979年3月
A面:2-C-29
B面:1-B-71
ジャケット印刷:Ki A
ジャケット・カタログNo:P-6554E 
(背表紙のみ)
ジャケット価格表記:¥2000 
(背表紙に記載)



P-10300E
「1979年来日記念2000盤」販売終了後は、「P-10118E」に戻り、価格も2500円に戻された。この盤を筆者は未だに入手出来ていない。
プレス年月:
A面:
B面:
ジャケット印刷:
ジャケット・カタログNo:
ジャケット価格表記:




P-10300
前項で触れた「P-10300E」は「P-10300」となり、帯も変更、シュリンクラップで覆われている。筆者はこの盤を所有していない。具体的な事は全く分からない。
プレス年月:
A面:
B面:
ジャケット印刷:
ジャケット・カタログNo:
ジャケット価格表記: