日本盤発売日:1974年6月25日
イギリス盤:1974年3月8日、アメリカ盤:1974年4月9日
イギリス盤初版:「Side White:YAX 4736-4U 4735 (5 TT)」「Side Black:YAX 4735-4U 4736 (4 TO)」
ジャケットは米ELECTRA盤とほぼ同じデザイン。英国盤は、カッティングエンジニアが「SIDE
BLACK」をA面だと勘違いした為なのか、誤って刻印されたマトリクスNoは線で消された形跡がある。
オレンジ色の帯、Wジャケットorデラックスジャケット(ゲートフォールド)、福田一郎氏のライナーノーツ、各曲の英詞・日本語訳詞(ブライアンの使用機材に「AC
80'S,」と誤植あり。正しくは「AC 30'S」)、レコードの保護用ビニール袋等。
このアルバムでは「The Seven Seas Of Rhye」の表記になっている(米盤・日本盤等の「ELECTRA系」のみ)。
1980年以降の盤は、ジャケット裏面の「価格表示」が無い。(プレスマークが不明の場合、目安になる)
日本盤は、テープヒスノイズを消す為のノイズキャンセル・エフェクトを使用したマスターテープを制作した後に、ラッカー盤へのカッティングを行っている為、数曲で不自然なフェイドアウトをしている(「Seven
Seas Of Rhye」のみ、シングル盤用マスターテープを使用していたのではないかと推測する)。
当時、クイーンはトライデント社と「年に2枚のアルバムを発表する」という契約をしており、本盤でも1973年のライヴから既にセットリスト入りしていた曲を含む、新たな楽曲を「16トラックレコーダー」を駆使し製作を行った。銅鑼やハープシコード等、1stアルバムとは全く異なるアプローチで様々な楽器を使用し、アルバムの世界観はより一層洗練され、しかもレイヤーの重ね方が凄すぎる。クイーン4人の音楽観・才能が最も顕著に反映されたアルバムではないだろうか。このアルバムの為に「戦慄の王女」を製作・発表する間を活かして「クイーンU」収録各曲を熟成していたのではないか、という印象さえ受ける。ファンからは「クイーン初期の名作」という評価が多く、プログレファンにも支持を受けたアルバムでもある。 ちなみに「Seven Seas Of Rhye」のエンディングで聴かれる曲は「I Do Like To Be Beside The Seaside」。イギリスで有名な曲であり、ブライアンは「1984」時代のライヴのレパートリーに入れていた事があるらしい。
それぞれの盤の見分け方は、「戦慄の王女」の項をご参照ください。
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