Fender Precision Bass Sunburst
Fender Precision Bass Sunburst 1 |
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ジョンが最初に手にしたこのフェンダー・プレシジョン・ベースは、CBS買収後の、すなわち“ポスト・CBSタイプと呼ばれるタイプのベースです。“プリ・CBSタイプ”とよく誤解されてしまいますが、両者のロゴデザインが似ている事により、誤解されやすいという理由の様です。 (ちなみにジョンが所有している“プリCBS・ロゴ・タイプ”のベースは、50年代に作られた、 オリジナル・プレシジョン、1本のみ、という事になります) ロゴに関してはこちら ジョン自身は、所有していた2本のサンバースト・プレシジョンベースについて、「2本とも60年代後期の物」としかインタビューでは答えていません。 詳細はこちら→ http://www.deaky.net/rain/musician.html 故に、安易に年代を特定するのは難しいですが、ピックガードの鼈甲柄から推定して「66年製」として進めていきます。 ジョンはこのサンバースト1タイプを、75年5月頃までオリジナルのまま使用。75年の塗装剥離後も、メインで使用していましたが、76年に“タイプ2ネック”と交換され、 後にボディをブラックにリフィニッシュし、現在に至っています。 塗装を剥がす主な理由ですが、60年代終わり頃に広まった、「ボディのラッカー塗装を剥がすと音が良くなる」という噂からきていると思われますが、ジョン自身が思う理由が他にあったのかも知れません。 (筆者も最近、サンバーストプレベの塗装を剥がしましたが、ビックリするくらい、音が素直になりました・・・。 ボディへの音の伝達も、それは素晴らしいものです・・・) |
Fender Precision Bass Sunburst 2 |
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この画像のブラック・トランジション・ロゴ・タイプのサンバースト・プレシジョンは、スペア用として1975年2月の北米ツアー中に購入したものです。この北米ツアー中に撮影された写真から多く観られます。この時期ジョンはこのベースを「試していた」と思われます。 このブラック・トランジション・ロゴタイプについては、CBSフェンダー社が1968年夏以降にロゴの字体の変更を行ったものです。つまり単なるロゴデザインの変更があった、という事です(同様の理由でストラトキャスター、テレキャスターなどもデザインが変更されました)。 ロゴに関してはこちら ジョンは、所有していた2本のサンバースト・プレシジョンベースについて、「2本とも60年代後期の物」としかインタビューでは答えていません。 詳細はこちら→ http://www.deaky.net/rain/musician.html 故に、安易に年代を特定するのは非常に難しいですが、「68年中旬以降〜75年1月初旬」の期間に製造された物と仮定します。 (ちなみにですが、筆者が所有している1968年の3月と5月製造のネックは「シルバー・トランジション・ロゴ」、1968年9月製造のネックは「ブラック・トランジション・ロゴ」になっていますが、当方の「ブラック・トランジション」のロゴは、"Fender"の文字が浮き上がっている為、 ジョンが所有しているベースは、68年製では無い、と筆者は断言します。ここでは「69年製」として進めていきます) この“サンバースト2タイプ”のプレシジョンは、76年に塗装剥離された際、“タイプ1”のボディと交換され、ネック側はメイン用の“ナチュラル・プレシジョンタイプ2”へと変わりますが、ボディ側はサブ用の“ナチュラル・プレシジョンタイプ1”へと変わり、“Bicycle Race”“Crazy Little Thing Called Love”“Flash's Theme”等のPVで目にする事が出来ます。 |
この時点では、まだ「サンバースト2」を入手する前ですので、このサブ用ベースは、下記の「ロゴ無しプレシジョン」と推定されます。 |
(NO LOGO) PRECISION BASS |
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この上2種類のベースは、同一の物ではありません。 左側の写真は、“St Johns Wood Studios”で収録された“Keep Yourself Alive”“Liar”のプロモ・クリップの画像ですが、どの角度から見ても、 「Fender」のロゴ文字が確認出来ません。 一方、右側の写真は、“Brewer Street Studio”で収録された“Keep Yourself Alive”“Liar”からの画像ですが、こちらでは、ヘッドの位置に「Fender」の文字を しっかりと確認出来ます(サンバースト1タイプ)。 ブリッジカバーは外されずに残されたままの状態になっていますが、このブリッジカバーの内部には固いスポンジ状の物が取り付けられており、ブリッジカバーを付ける事によって、弦をミュートする役割を持っています。つまり“Rainbow Theater”で有名な“スポンジ”と同じ役割をするのです。その後のジョンのプレシジョンベースにはブリッジカバーは付けられていません。 ちなみに、ビデオ“Rare Live”に収録の“Liar”は、両者を編集した物であり、基本は“St Johns Wood Studios”で収録された物を使用していますが、 ジョンのアップのシーンのみ、“Brewer Street Studio”での演奏シーンが使用されています。 もう少し詳しく見てみましょう。
その他、ヘッドの裏側のストラップピンの位置や、他のパーツに関して、フェンダー・プレシジョンと同様に作られていますが、 フェンダー社製と大きく異なる点は、12フレット上のドットマークの間隔です。フェンダー社製のモデルでは、ドットの間隔が狭いのに対し、 このベースでは、かなり離れた状態になっています。(写真3、写真4、参照) その他の特徴としては、フィンガーレストの位置ですが、本来有るべき部分には無く、ピックアップの上(E弦の上)に取り付け直されています(写真4)。 このベースは、デビュー当時の「サブ用に入手したベース」という事が推論されます。したがって、このベースもジョンの所有ベースとしてカウントする事が出来ると思います。 |