“フェンダーロゴ”について

ジョンのベースが、60年代後半の物である事の理由として、まず、Fender の Logo が“トランジション・タイプ”である事。
プレシジョン・ベースのフェンダーのロゴは、63年までが“スパゲッティ・ロゴ”と呼ばれる物であったが、64年以降は、トランジション・タイプに変更された事(フェンダーがCBSに買収された際に、デザインが変更された)。
’68年以降はブラック・ロゴと呼ばれるタイプの物に変更された事。フィンガー・レストの位置が、G弦の下側に付いていること(76年から、E弦の上に変更される)、などが挙げられます。
ジョンの最初のプレシジョンベースは、60年代後半(’66年製)の物を購入した、という事になります。






(スパゲッティ・ロゴ)

フェンダー創立以来、'63年まで使われたロゴタイプ。

ジョンは、このロゴタイプのネックでは、オリジナル・プレシジョンベースとして所有している。
("The Miracle"のPVで使用しているナチュラル・プレシジョン・ベースもこのロゴタイプだが、撮影用に準備された仮のベースの可能性もある)


ヘッドの厚み、ネック厚は共に、少々薄め。ラッカー塗装は、数回に分けて、薄めに塗られている。

(トランジション・ロゴ)

フェンダー社がCBS社に買収された以降のロゴ。
いわゆる、ポスト・CBSタイプ。
'64年〜'68年初等頃までに作られたプレシジョンに使用された物で、“ブロックロゴ”とも言う。

ジョンが使用していたのは、このタイプである。


デザイン的には、スパゲッティ・ロゴ・タイプに似ているが、こちらの方が珍しく、今ではオールド以外に目にする事は無い。

ヘッドの厚みは、薄めだが、ネックは薄い。オールラッカー塗装である事が特徴である。

(トランジション・ブラック・ロゴ1)

'68年後期に入り、他のストラト、テレキャス等と同様に、ロゴのデザインが一新された。
'75年頃までのプレシジョンベースに見られるタイプのロゴ。

ジョンが使用していたのは、このタイプである。




ネックとヘッドの裏側はポリウレタン塗装、ヘッド表面のみラッカー塗装されている。

(トランジション・ブラック・ロゴ2)

'76年以降に見られるタイプ
のロゴ。('78年には、大量作られ、一部、'80年代のプレシジョンにもセッティングされていた)

ジョンは、このタイプのネックは使用しなかった。

ヘッド、ネック、共にかなり厚め。特にネックの厚さは、ブ厚く、いわゆる“かまぼこ型”と言われる物。
ネックはポリウレタン塗装、ヘッド表面のみラッカー塗装されている。

'80年以降のフェンダーロゴは更に小さくなっていく。





フェンダーの“スパゲティ・ロゴ”に、PRECISION BASSの文字と、パテントNo.が記されている。

ロゴは、ラッカー塗装の上から貼られている。

PRE-CBS Logo Type。

フェンダー“トランジション・ロゴ”に、PRECISION BASSの文字と、パテントNo..が記されている。

ロゴは、ラッカー塗装の上から貼られている。

POST-CBS Logo Type。


ブラックタイプ・ロゴに、デカデカと“PRECISION BASS”の文字。
フェンダーロゴの下には、パテントNo.が記されている。

ロゴは、貼られた後に、ラッカー塗装が施され、ロゴが消える事は無い。

POST-CBS Logo Type。


ブラックタイプのフェンダーロゴに金色の縁取が広めに取られており、ロゴが小さく見えるのが特徴。ロゴ下にシリアルNo.が記されている。
“PRECISION BASS”の文字は、やや小さめ。
小さく“MADE IN USA”と書かれている。

ロゴは、貼られた後に、ラッカー塗装が施され、ロゴが消える事は無い。

POST-CBS Logo Type。


フェンダー創立から、’68年以前の、フェンダー・ロゴに関しては、
ラッカー塗装の上からシール状のロゴが貼られています。
そのため、このロゴは、爪等で引っ掻いたり、クロスで強く拭くだけでも、消えてしまう事もある様です。実際、ロゴが完全に消えてしまっているオールド・フェンダーも確認しました。