THE GAME |
英EMI盤 | 米ELEKTRA盤 |
ちなみに日本盤は、右側「米ELEKTRA盤」と同じデザインになっています。
当時、日本での発売元は「Warner Pioneer(ワーナー・パイオニア)」でしたが、
これは「米ELEKTRA」が「Warner Communications」の傘下会社だった為です。
(逆に言えば「東芝EMI」も、「これは日本受けしないだろう、と見限っていた可能性があります・・・不明ですが・・・。
日本盤とアメリカ盤のジャケットが同一デザインだったのは、そういった事由の為、という事になります。
アメリカでのクイーンアルバムの動向
アメリカでのクイーンアルバムの発売権利が、「米ELEKTRA」から「米Capitol」へ移行したのが1984年ですが、
"LIVE AID"こそ有ったもののアメリカ国内での売れ行きは上がらず、1991年、"Walt
Disney"のサウンドトラック部門である、
「Hollywood Records」へ販売権が移行します。が、ご存じの様に、同年11月24日フレディの死により、クイーンのアルバムは、
急激に売れ行きを増し、「Hollywood Records」独自のベスト盤等を制作など、現在に至っています。
つまり、最初にクイーンを見限った「米Capitol」は、結局は大損してしまう結果になったわけです。
イギリスでのクイーンアルバムの動向
一方、イギリスでは、「EMI」から「Parlophone」へと移行します。
「Parlophone」は元々ドイツのレーベルであり(「日本Parlophone」とは"基本的には"無関係)、1926年以降は「英コロムビア(現在の"EMI")」の傘下でしたので、
一見格下げの様に見えますが、それは間違いで、「EMI」への長い間の貢献から与えられた一種の勲章と言えるものです。
初の日本盤CDと幻の見本盤LP
「米ELEKTRA」との契約が終了し、「米Capitol」へ権利が移りますが、その際の日本盤の権利は、
「英EMI」「米Capitol」との契約が有る「東芝EMI」へと移行します。
が、「ワーナー・パイオニア」は、クイーンの過去の音源発売の権利を、1986年まで有しており、
種類は僅々ですが、1983年と1986年にCDを発売していた事は確かです(1983年版の中身は「西ドイツ盤」、1986年版は「日本盤」)。
一方、「東芝EMI」は、過去の音源の発売の権利を有した1987年に、過去のクイーンのCDと共に、全LP盤を再発する事を検討していました。
が、全アルバム(1st〜Hot Space)の見本盤がそれぞれ数十枚ずつ作られたのみでした(勿論、店頭に並ぶ事は無かったのです)。
これらは現在、日本国内のみのコレクターズアイテムとして存在するものですので、
見かけた際は「迷わずゲット!」・・・です。
"The Game"が発売された当時、「ジャケットのプリントが大変だった」という話を聞いた事が有ります。
銀色に縁取られたメンバーの写真はモノトーンであり、US盤同様にジャケが輝いている様に演出するのは、
非常に労力の必要な作業だった事と思います。
US盤の2ndプレス以降は、光沢の無い「灰色ジャケット」に変更されていますが、
日本盤は後年まで、光沢ジャケットで発売されていました。
ただし日本盤の初回出荷分のみピンナップだった物が、それ以降はUS盤同様にインナースリーブに変更になりました。
終わらないままに永遠に続きそうなクイーンファンの熱気に押されたのか、ワーナーパイオニアも気合が入りました。
(証拠に、以降のクイーンアルバムのワーナーパイオニア盤は、それまでのピンナップではなく、US盤同様にインナースリーブに変わっています)
まず、レコードの「カタログナンバー」というものが有りますが、
このレコードの日本盤では、US盤ジャケットのフィルムを殆ど手を加えずに使用した為か、
本来、日本盤用に直さなければいけない「カタログナンバー」が、US盤と同じになっています。
(他の日本盤にも同様の現象があります)
その為、下の画像に関しても同じになっています。
"The Game"ジャケットの裏面ですが、"Sail Away Sweet Sister"のみ、字体が異なっています。
単語の間隔も他の曲とは異なっており、明らかに「後から修正した」、という印象を抱きます。
考えられるのは、次の点です。
1. 誤植が有った為、修正した
2. 曲のタイトルが、直前になって変更になった
3. 曲目の入れ替えがあった
「2」と「3」に関しては全く想像出来ません・・・。ただ、他にもレコーディングした曲は有ると思いますが・・・。
ちなみに、盤のレーベルでも同様に"Sail Away Sweet Sister"のみ、字体が異なっています。
ちなみに、UK盤では、字体が揃えられています。
「EMI系列」から発売された国では正しい字体になっていますが、
「ELECTRA系列」から発売された国では、日本盤と同様に字体が異なっている様です。