ここで問題です。
今回のテーマは何でしょうか?^^。


「今回のテーマ」?・・・「ジョンのベースでしょ?」と思ったそこのあなた!

違います・・・。
もうジョンのベースに関しては、余程の事が無い限り、完結しておるのです!
・・・。。
「じゃあ、何よ!」

って思いましたでしょ?
今回のテーマは・・・。。





これなんです!っジャーん!
そう!指輪・・・ではありません・・・。



ジョンがベースを肩で担ぐ・・・(笑)、
そう・・・
ストラップです!
(携帯のストラップではありません)

一般的にストラップとは・・・。。

まぁ、平たく言えば(言わなくてもだけど)ギターやベースを、立って弾く時に必要な「紐の様なもの」と解釈頂ければ大丈夫です。

「じゃあ、なんで今頃ストラップ?」
と思われたそこのあなた!

実はこれがまた、一筋縄ではいかないシロモノなんですね・・・。。


「ストラップ」という物は・・・、まぁ、ギターやベースを「立って弾く際の必需品」ではありますが、
そこに機能性や使い心地だけでなく、「デザイン」なども選ぶ際のひとつの選択肢に入るわけです・・・。

例えば、私達がストラップを選ぶ時、何を基準に選ぶかと言いますと・・・、やはりそこは「見た目」なのですね・・・。
と言うか、「見た目」以外に気にする部分など無いのです・・・。。
見た目が「カッコいい」から、とか「かわいい」とか、まぁ、色々あるでしょう・・・。
それ故、「ストラップの選択」で、その人の性格までもを表す様な側面もあります。。
例えば、仮に好みのストラップが入手出来なかったりした時などは、御徒町のベルト屋さんで素材を購入し、自作した事もあります。。
自分の憧れのプレイヤーが使用していれば、それと同じ物を選ぶ!という選択肢もありますね・・・。
今回は、「ジョンと同じストラップが欲しい〜!」という、そんなあなたへお送りします。




では、ジョンは一体、どんな「ストラップ」を使ってきたのか?
それを今回、皆さんと一緒に検証していきたいと思います!




ジョンがデビュー当時から76年までの約3年間、
使用していたストラップは、紐状に見えるタイプの物でした。

このストラップは、今でこそ「ビンテージタイプ」などと呼ばれますが、60年代中期頃まではレギュラーモデル的な扱いで、
当たり前の様に各ミュージシャンが使用していたものです。画像では見えませんが、肩当てパッドの様な物があります。

上の画像は、「リッケンバッカー社」の50年代のストラップです。肩当てパットの縫い糸が白い糸であり、パッド裏側が白い布製(現行品は縫い糸が黒糸で、パッド裏側は黒い布製)。
(もちろん、「リッケンバッカー社内」で作られた物では無く、こういった物に関しては、今でも下請けの様な会社が作っています)
(もちろん、下請けですから・・・、実は他社のストラップも手がけていた、という事もあり得ますね)
(これは私のコレクションです・・・しかも未使用品の様です)(←自慢すな。笑)

ジョンが使用していた、「ビンテージタイプのストラップ」ですが、いまだに何処のメーカーの物なのかは、よく分かっていません(上の画像はあくまでも一例です)。ジョン自身が、「何処其処のメーカーの何年製の物を使用していた」とか言明してくだされば、私達も悩まずに済むのですが・・・。。

60年代中頃までは、各社がこの様なストラップを発売していました。当時のスタンダードと考えて良いのです。



上の画像のストラップは、ジョンが77年頃から80年まで使用していたストラップです。
ジョンは、メインベースからサブ用ベースまで統一してこのストラップを使用していました(統一するのがお好きな様です・・・)。
このタイプのストラップはビンテージタイプと異なり、「ストラップとしての安定性」と「長さ調整が簡単」という特徴を持っています。
私も、高校生の頃に最も憧れていたストラップです。しかし、どこの楽器店に行っても置いていなかったのですね・・・。。
結局私は、似た様なデザインのストラップを使うしか仕方無かったのですが、そんな時ではつい自分の好みが出てしまうというものです・・・。つまりこういう感じのストラップがどうしても欲しかった、という事なのですが・・・。。


時が経ち、どうしてもこのストラップが欲しくなってしまった時は、私も40歳を過ぎていましたが、
この画像を大きく引き延ばしてプリントアウトして、某オークションサイトを頻繁に見つめ続ける日々が続いた訳です。
「あ!これだ!」って思っても、なんか微妙に違うし・・・なんて日々の連続でした・・・。。
(結構、似てるデザインのストラップって、多いんですよ・・・)


で、・・・
とある日、ついにその時が来たのです!
全く同じデザインのストラップが某オークションサイトに出品されていました!

・・・。

そこに書かれてあったのは・・・。。

・・・。

「GIBSON」

・・・。

え!!ギブソン!!??

・・・。
そう、あの「ギブソン社製」のストラップだったわけです・・・。
これには本当に興奮してしまいました。。
なんと、ギブソン社は、60年代後半から、このストラップを作っていたというのです。
それから漁る日々が続きに続いて、結局、4本入手できました(いずれも新品同様品です)。
(私は、このうちの3本を、プレシジョンベースに使用しています)

結果、2種類に分類する事が出来ました。

1.「ストラップピンに差す部分が“茶色で革が厚い物”、バックルが“黒のプラスチック製”」
2.「ストラップピンに差す部分が“黒色で革が薄い物”、バックルが“真鍮色の金属製”」

ジョンが使用していたのは、「1」のタイプの物です。「1」はかなり頑丈に作られています。
(クリックで拡大)


ちなみにジョンは、「ストラップ」が「ストラップピン」から簡単に外れない様に、黒の布テープで固定している事が画像等で知られています。
(ライブ演奏中にストラップが外れてしまったら、それこそ大変な事態になりますからね・・・)



という事で、あまり知られていない事ですが、
ジョンがこの時期に使用していたストラップは、70年代の「ギブソン社製」だったわけです。
(現在は製造されていません)



上の画像のストラップ。これは「フェンダー製」という事は承知の所と思います。一体ジョンに何があったのでしょう・・・フェンダー好きが高じてこうなったのか・・・フェンダー社から色々もらってたのか?(笑)。
このストラップも一筋縄でいかないところがまさに、ファン泣かせな所でもあります。
ちなみに、この上の画像に写っているジョン。ベースもストラップも同一なのに、ベースの色が違うだけでこんなにも違う印象を与えてしまうものです・・・。
(ちがう。髪型のせいだろ。)

ジョンは、80年7月1日(シアトル公演)以降のメインベース(ナチュラル2)に、このフェンダーストラップを使用しています。
(その前日80年6月30日(バンクーバー公演)までは"Gibson社製ストラップ"を使用)(84年頃には、ほぼ全てのベースにフェンダーストラップを付けています)

1984年8月のヨーロッパツアーから、全てのベースのストラップピンをロック式に交換し、これらに統一しています。(やはり統一するのがお好きです)
「モノグラム・ストラップ(Monogrammed Strap)」と言われるこのタイプは、60年代後半から存在したと言われています。
しかし、何故、このストラップが一筋縄でいかないのでしょう・・・。
それは・・・。


現在、入手不可能なストラップなのです!!(ギブソン製もだけど)




現在入手可能なフェンダー・モノグラム・ストラップは・・・。
ストラップに描かれている「ギターのヘッド部」の柄が、「スモールヘッド」になっています。
最も異なる部分が、「Fender」の文字が斜めになってしまった、という事ですね。
他に、裏地が黒のビニール製になり、バックルがプラスチック製になりました。
この様に仕様変更が行われたのは、90年代に入ってからと言われています。
一方、ジョンが使用していたフェンダー・モノグラム・ストラップは・・・。
(すいません・・・私の私物です・・・)
ストラップに描かれている「ギターのヘッド部」の柄が、「ラージヘッド」になっています。
「Fender」の文字が、斜めではなく、水平に描かれています。
裏地は茶の革製でした。バックルは真鍮製です。
恐らく、60年代後半から、80年代中期頃までは、この仕様だったと思われます。
(筆者が82年に入手したプレベに同梱されていたストラップは、
このタイプでした・・・。。)


ジョン使用タイプは、裏地が茶色の革製

例えば、「Fender」の文字が、真横に書かれてあっても、裏地が黒の物も存在しますので、注意が必要です。


ちなみに、ジョンが使用しているタイプの物は、数年前に某楽器店のレジの上に飾ってあり、「非売品」と書かれてありました。
現在でも未使用品であれば、高額取引になるケースが多い様です。


こちらのフェンダーストラップは、ストラップピンに取り付ける革部分の素材が茶色です(他は黒の革製)。
このストラップは、後の92年ウェンブリースタジアムで行われた「フレディ・トリビュート・コンサート」の際、
赤プレベに付けて使用していました。


なので、この「フェンダー・ストラップ」が欲しいと思う方は、現行品を買ってはいけません!!
しっかりと探しましょう〜!!


他に、「MUSICMAN STINGRAY BASS」のストラップは、76年〜84年頃まで「謎の黒いストラップ」を使用していましたが、
85年以降は、「フェンダー・ストラップ」になっています。

PV「愛という名の欲望」でナチュラルプレベに使用しているストラップは恐らくですが「ACE(エース)社製ストラップ」であり、こちらも現在入手不可能です。
(現在は、コピー商品的なストラップが、現行品として売られています)

他にも不明なストラップが多数存在するのですが、何の確証も無しには書けないので、ここらで打ち止めです・・・笑。
(でも、上記3点を押さえておけば、バッチグーでそ?^^。)



以上、如何でしたでしょうか・・・。

筆者も、ジョンのストラップを探し続けたひとりですが、当時の物を綺麗な状態で探す事はとても困難な事なのです。
たかがストラップ。されどストラップ。ビンテージ楽器店で直ぐに買える物でもありませんし、その辺りは頑張るしかありません!!

少なくとも言える事は、「ジョンったら、本当にファン泣かせなんだから!」の一言に尽きるのかも知れませんね・・・(笑)