第7巻 特撮談義 〜 知られざる秘話 〜 etc... |
TORIさん:「『天国と地獄』の4チャンネルの『リア』の使い方って面白いですね〜...。」 清水さん:「(笑)本当ですか...(笑)」 TORIさん:「研究させてもらいましたけど...。あの『鉄橋』だけに入れるっていうのは、凄い発想ですよね。」 清水さん:「あ〜なるほど...(笑)」 TORIさん:「『鉄橋』のあの...『鉄橋に入った瞬間』だけ、音が、リアからしてて、『洗面所』になるとまた消えて、 『洗面所』が『鉄橋』に突入するとリアが鳴るっていう、あれは凄いな〜と思ったな...。それ以外、それと、あと...」 清水さん:「『バー』のところ」 TORIさん:「『バー』はね!『バー』はもちろん、あれだけど、それぐらいしか使ってないんですもんね、リアチャンネル...。ビックリしたな、あれ...。」 私:「そうなんですか〜〜」 TORIさん:「『キンゴジ』もリアチャンネルの使い方が、ポイント...」 清水さん:「そうですね。」 TORIさん:「ただ『だだ流し』にしてるんじゃなくて、狙って...効果が有るっていう所だけを...」 清水さん:「でもなんか『パトカーのサイレン』かなんかは、リアにしか入っていないのも有りましたよね...」 TORIさん:「ありました、ありました。僕は...このiPodに、キングコング対ゴジラの、Lチャンネルだけっていうのを入れてあります。」 清水さん:「(笑)」 私:「へぇ〜〜...。。」 TORIさん:「左からしか...『左だけ聞こえる音』っていうので1時間37分あって。『センター』で1時間37分あって。『R』で1時間37分あるから...(笑)。 『左だけ』『右だけ』の効果音をちょこちょこ入れてあるのが面白いですよ!(笑)」 清水さん:「効果音で思い出したんですけど、この『キンゴジ』で、潜水艦の中で博士が『ゴッジーラ!』って言う所が有るじゃないですか。あそこが、モノラル版はしっかり『ゴッジーラ』って声が聞こえるんですけど、4チャンネル版って実はあんまり聞こえないんですよ...。ほとんど『ゴジラ』って声が聴こえなくて...。」 TORIさん:「『あ〜!』しか言わないよね...ほとんどね...。」 清水さん:「それで、結局この『デジタルリマスター』では、ちょっとだけ持ち上げて調整してるんですよ...『ゴジラ』って声を...」 私:「あ〜〜そうなんですか!!」 清水さん:「でも、それでもやっぱり聞こえづらいんですけどね〜...。う〜ん、でもさすがに、モノラル版知ってる人から見ると、『ゴジラって言ってない』って言われちゃうと思ったんで、そこだけ...ちょっとだけ『ゴジラ』のセリフだけ持ち上げてもらってるんですけどね...。それでも分かりづらいんですけど。」 TORIさん:「字幕では『ゴジラ!!』って出るわけだからね...。」 清水さん:「そうなんですよ...字幕で『ゴジラ!!』って出るのに、音があんまりよく聞こえないんですよね〜...。レーザーディスク版とかすごいよく『ゴジラ』って聞こえるんですけど、ステレオ版は、そこが混ざっちゃって、っていうか...隠れちゃってて...効果音と音楽で隠れちゃってますね...。」 私:「なるほど〜〜〜...。。本当に色んな話があるんですね〜〜...。。」 TORIさん:「本当に徹底的にやってるから...今度の『4K版』は。『キンゴジ』のありとあらゆる事を。全部整理し直してるから...やっぱり凄いですよ...。」 清水さん:「あとは、こっちの方(DVD&Blu-ray)時の4チャンネルは、『バラ素材』を合成して多分作り上げてるんですけど、こっち(4K版)は『ミックス音声』から作ってるんで、『頭(冒頭部分)』の...高島さんが太鼓(ドラム)叩いた後で、藤木悠さんが呼びに来て会話してるバックの音とかが、よ〜く聞こえるんですよ。」 私:「あ〜!聞こえますね!...」 TORIさん:「あの会話してるのは、これ(4K版)で初めて知った...。」 清水さん:「本当はこのバランスで入ってたんだ、っていうのが、初めてこれ(4K版)で分かった、っていうのがこれで有りますよね...。」 TORIさん:「後ろで鳴ってる音が、要するに、『チャンバラの打ち合わせ』とか、あれをやって「ゴトゴト」言ってるのは分かるんですけど、こっち(4K版)で聴いたら、『会話』があるんですよね〜...。」 清水さん:「そうですね...ノイズとかなるべく取って音を聴かせる様にした、っていうのもあるんですけれども、『あ、ここまで音が入ってたんだ!』っていう...。」 TORIさん:「そう!あれはビックリした...。」 清水さん:「あと、『牧岡博士の説明』の時とかも、セリフがちゃんと右から聞こえてきたりするのが、こっちだとそうなってないですものね...。それがなんで鳴ってないのか不思議なんですけれども、ちゃんとしたミックスはちゃんと...セリフも左右に振られてるっていうのが分かる...」 TORIさん:「だから、それを元にして整音してるから、こっち(4K版)は本当に信頼できる...。だからこっち(過去ソフト)の方が全然信用出来なくなる...。だから二度とこっち(過去の4ch版音声やLDの2ch音声)は、聴く気になれないくらい、こちら(4K版)の出来が良すぎて...。 で、日専でそれを放送した2チャンネルの方に入ってるのは、4チャンネルのダウンミックス(4チャンネルの音声を、通常のステレオで聴ける様に、ステレオ2chに纏める事)ですよね?...こっち(1991年LD)じゃないですもんね。」 清水さん:「そうです。そうです。4チャンネルのダウンミックスです。」 TORIさん:「だから、これの『日本映画専門チャンネル』の放送って、音声が2種類乗っかってて、5.1の音声と、2チャンネルステレオの音声を、同時放送してるから、それをリッピングする時に、5.1から拾うと、4チャンネルの完全なやつが聞けて、2チャンネルの方で音を拾うと、これ(4ch)を2チャンネルに纏めてダウンミックスしたやつが入ってるから、それの2チャンっていうのは...2チャンネルしか無いんだけれども、凄く...ちゃんと意識して作った2チャン...こっち(1991年LD)のいい加減な2チャンとは違うんで...。だけど当時のオリジナルでは無いんですよね...。本当は日本映画専門チャンネルも、『4チャンネル』と『モノラル』を同時放送してくれれば、一番良かったんだけど...。」 清水さん:「それはモノラルは、入れようと思えば入れられますけど、モノラル音声も整音しないといけないんで、そうするとお金も時間も掛かっちゃうんで、入れられなかったですね〜。」 TORIさん:「そうそうそう...。」 私:「こっち(1986年LD)のモノラル音声って、物凄く音質良かったじゃないですか...。で、こっち(2014年Blu-ray)に収録されてるモノラル音声って、若干劣化している感じがするのですけど、その辺りはどうなのでしょう...。マスターが異なっていたとか...。」 清水さん:「もしかしたらサウンドトラックじゃなくて、シネテープを使ってるんじゃないんですか? あ、でもこの時(2001年DVD)はモノのシネテープは無いって言われてたんでしたっけ。一時期、なんか、『無い』って言ってましたよね...。」 TORIさん:「だってこれ(2001年DVD)の解説には、『そんな物は存在しない』って書いてあって...、」 清水さん:「そうそうそう」 TORIさん:「そんな訳無いだろうって。」 清水さん:「そんな訳無いだろうって、探したら、ちゃんと有ったっていう...(笑)。」 TORIさん:「そういう...探し出す人が居る『世界』ですからね...観てる連中の細かさ...。そんな人たちに向けて世に送り出す為に、作ってる人が、ここまでのオタクだから、安心して...。(笑)。好きが高じてスタッフになっちゃうくらいのオタクなんですから、偉いことです...。そういう人が作ってるんだから、まぁ、100%丸投げしても安心っていう...。」 清水さん:「(笑)」 私:「本当にそうですよね〜...。。」 TORIさん:「丸投げしても満足する物を作って頂けるっていうのは、もう...」 清水さん:「でももう、僕は『キングコング対ゴジラ』が出来上がったんで、殆どTogen(東京現像所)に居る意味を見出せない...」 TORIさん・私:「(笑)」 清水さん:「やりたい事をやりきっちゃった感じなんで...」 TORIさん・私:「(笑)」 TORIさん:「いや〜まだまだ山ほど残ってるじゃないですか〜!(笑)」 清水さん・私:「(笑)」 TORIさん:「え、だって『怪獣大戦争』の字ネガを入れるんだって、やりたかった仕事でしょ?...(笑)」 清水さん:「そうですね〜...あっちの方が先ですけどね...。」 TORIさん:「だってあれ、昔から僕、聞いてて、『何かの商品を作る時に行われた試写』で観たっていう人が居たんで、絶対に有る筈だと。だけども、どこにも無いから...でもさらに完成台本に記述が有るのを見たっていう人も居たっていうんで、『あ、それは間違いない、絶対有る筈だと』ずーっと言ってたんだけど、遂にそれが証明されたんで、『怪獣大戦争』オタクとしては大変嬉しかったという...。」 清水さん:「(笑)」 TORIさん:「なんだっけ、レコードを作る時?...、えーっと何の時だっけかな...。その試写で観た『怪獣大戦争』には、字幕が有ったと聞いた。」 清水さん:「『怪獣大戦争』も、“チャンピオンまつり”の時に字ネガが失われてしまって、『明神湖』とか『鷲ヶ沢』っていうテロップが無くなっちゃってて...。ただ、あれの幸いな事は、昔のプリントが1本だけ残ってたんですね。真っ赤っ赤に...もう退色してるプリントが有って、それを取り寄せてみたら(字幕が)入ってたんで、『やったー!』って言ってそこだけ4Kでスキャニングして、『字幕』を抜き出して、放送用マスターに合成して、新しい放送はそれを使ってもらったっていう...。」 私:「なるほど!そうだったんですね〜!」 清水さん:「そうなんですよ...。」 TORIさん:「あとは、あの長い『キングギドラ対ゴジラ』って何なの?って話ですね、『ゴジラ1983』の時の。」 清水さん:「あ〜...あの、分かんないですね...。今でももう...長いヴァージョンの頭は『怪獣大戦争』のタイトルにネガを編集して、付け替えられちゃっているんで...」 TORIさん:「あ〜〜そうなんだ!」 清水さん:「もう、長い『キングギドラ対ゴジラ』は無いですね...。」 TORIさん:「あ〜〜...。あれはちゃんと...だって、『ゴジラ1983』上映タイトルですからね...。きちんとしたヴァージョンとして全国公開された経緯は有る訳だから...一回だけ。」 清水さん:「で、その〜『怪獣大戦争』を日専で放送する時に...放送する時にはもう実はブルーレイを『怪獣大戦争』で出すってのはもう決まってたんですよ...。だったら、ブルーレイでは『東宝マーク』はちゃんと戻すから、じゃあこっち(放送用)は『海外版マーク』のまま放送しようと思って、そのままそこだけは変更しないで、そのフィルムのまんま出したら、色んな人からバッシングを受けて...。」 TORIさん・私:「(笑)」 清水さん:「『なんでテロップは戻したのに、東宝マークは戻さないんだ』って言って凄くバッシングを受けたっていう...。」 私:「あ〜〜そっか、なるほど〜〜...。。」 TORIさん:「だって、あんな『海外版輸出用東宝マーク』なんか、あれでしか観れないんだから、あんなに有り難い事は無い...」 清水さん:「そう、『あっち(放送用)の方が貴重でしょ』って思ったんですけど...。しかもブルーレイではちゃんとしたものに戻すんだから...」 TORIさん:「ねぇ〜いいじゃん。。。」 清水さん:「ただその時はまだ『ブルーレイを発売する』ってまだ言えないんで、もう言われまくったまま黙ってたっていう...(笑)。」 私:「あ〜〜つらいですね〜〜...。。。」 清水さん:「そうなんですよ...。『ブルーレイを買えばいいんだよ、君たち!』って言いたかったんですけどね...(笑)」 私:「なるほど〜〜...。。。」 TORIさん:「まるで『日本沈没』の小野寺の様に...」 私:「(笑)」 TORIさん:「だけど、今有るプリントはしょうがない、海外マークが付いているんだから。」 清水さん:「だから結局、海外マークが付いてるっていうのは、マスターポジって海外向けに取って保管してたんで、それがそのまま残ってたって事でしょうね...。」 私:「あ〜なるほど〜〜...」 TORIさん:「だって、『人情紙風船(昭和12年公開、山中貞雄監督の遺作・PCL映画作品)』とか『昨日消えた男(昭和16年公開、マキノ雅弘監督・東宝映画作品)』だって、再公開が有ったから残ってる様なものでね。新しい昭和30年代の『東宝マーク』付けてさ。公開当時、あんな東宝マークがある訳無いからさ。公開したから、その時の不燃ネガに転換してあったから、今に残ってるんで...。だから、『東宝マーク』を付け変えたが為に世の中に残ったネガ(映画)っていうのは、かなり有る筈...。」 清水さん:「結構、黒澤映画なんかは、今、『午前十時の映画祭』用に、4Kデジタルリマスターを作ってるんですけど、『東宝マーク』を前のヴァージョンに復元する作業ってのを結構やってるんですよ。毎回それをやんなくちゃいけないという...(笑)。『七人の侍』もやりましたし、あと『天国と地獄』も『東宝スコープマーク』に戻したという...(笑)。でも殆どの人は気付いてくれないですよね...直した事に...。」 TORIさん:「そこだけでね〜...あそこだけでもう、入場料の元を取れるくらいだと言うね...。」 清水さん:「(笑) そうですよ...『30周年記念マーク』...初めてちゃんと復元されましたからね。」 TORIさん:「しかもモノクロで観る事も珍しいかも...。」 清水さん:「1本だけ...1本だけそれが付いてるマスターポジかネガが有ったんですよ...『天国と地獄』に...。だから復元が出来たという...。」 私:「そうなんですか〜!」 TORIさん:「ホントかどうか裏づけ取らなきゃ...ホントかどうか分からないもんね〜...。」 清水さん:「そうなんですよ...。だから『赤ひげ』は戻せてないんですよ...。あれは戻して良いかどうかも悩めるんで...そのままにしてあるという...。」 TORIさん:「『赤ひげ』ね〜...分かんないんですよね〜...。」 私:「あ〜〜...。。。」 清水さん:「ちょうど『赤ひげ(昭和40年公開作品)』の時から『東宝スコープマーク』から、スコープ文字無しの『東宝マーク』に切り替わってて、どっちだかがよく分からないんですよね...(筆者注:『東宝スコープマーク』最終年の昭和39年公開予定が、翌年昭和40年に延期された為)。」 TORIさん:「予告編では『スコープ』になってるからって、予告編を信用してはいけないんですよ。あれは初号かラッシュだから...。」 清水さん:「ラッシュですからね。ラッシュを編集して作ってるんで...。」 TORIさん:「そう。それの事例として『vsモスラ』の試写は『アナログ東宝マーク』...。だけど日劇の初日から『デジタル東宝マーク』に変わってるから。『vsモスラ』は全部、試写会の最後の最後の試写会...『東京国際映画祭』も『アナログ東宝マーク』だった...。だからそのプリントも本当は(何処かに)有る筈。だけど、公開の時から『デジタル東宝マーク』に切り替わってるから...『赤ひげ』もその可能性が有るので、あれは...本当に裏づけが取れないと答えは出せないですよね...。 清水さん:「キンゴジの音に関してですが、いち部分が「+」「−」が逆になる『逆相』になってるんです。効果音だけ逆相だとか、効果音の右スピーカーだけ逆相になったりだとか、そういったのがめちゃくちゃなんですよ...。だからこそこれはミスだって分かったんで、一回音を...ミックスされてる音を一回バラして、そこだけ反転させてもう一回戻したりしてもらったりとかしてるんですけども。」 TORIさん:「やっぱり逆相で1時間半とか2時間聴かせる事は無いですよね...やっぱりね...」 清水さん:「普通は無いと思うんですよね...。だから多分、ホームページで書かれてた『ヘリコプターが逆から...』っていうのも、あれも結局逆相が邪魔して、音を打ち消し合っちゃって、こっちから飛んできてるのに、こっち(逆)側の音だけが残ってて、こっち(逆側)から聴こえてたみたいな事になるんですよね...。」 私:「あ〜〜...。。。ごめんなさい...そこ、削除します...。。。」 清水さん:「いやいや...あの...削除はする必要は無いと思います...本当に逆に聴こえるのは確かなんですから...。」 TORIさん:「そうそうそう...。」 私:「いや...。。。本当ですか...。。。」 TORIさん:「だからもし(HPの)表現で変えるとしたら、『逆に聴こえる』というだけの話であって...。それは間違いとかでは無くて、その原因が分かっていない...。」 清水さん:「逆に...その...『原因が分かって、逆相で入っていたから、音を打ち消し合って逆から聴こえてたんだ』って書き足せばいいじゃないですか...(笑)。」 私:「書き足します...。。。」 TORIさん:「そうそうそう...『それが正しい情報』なんですから...それに『逆に聴こえたのも正しい情報』なんですから...。」 清水さん:「僕、だから、その...逆相と正相とか全く言わずに音の担当者にデータを渡したら、向こう(音の担当者)から『ここの部分が逆相で入ってて、逆から聴こえる様になってます』って言われて、『これだ!これだ!謎が解けた!』ってそん時に思ったんですよね!」 私:「あ〜〜!」 TORIさん:「30年来の謎が解けた...」 清水さん:「だから左右逆に入れてた訳じゃ無いんだ!ってのが分かったという...」 私:「なるほど〜そうだったんですね...」 TORIさん:「『キンゴジ』は、パースペクタは無いんだもんね...。『妖星ゴラス』までは有るけれど...。」 清水さん:「パースペクタは『キンゴジ』は無いですね...。」 TORIさん:「『妖星ゴラス』は、オールナイトで観ると、パースペクタの時とパーフェクトステレオの時と、両方観る事が出来たらしいです。」 清水さん・私:「あ〜〜〜...」 TORIさん:「パースペクタでも『VTOL』がちゃんと右から左に飛んだりしてたそうです。」 清水さん:「へぇ〜〜!なるほど...。」 TORIさん:「『30年前、何を聴いてるんだ、この人たち』って思いますよ。」 私:「(笑)」 TORIさん:「だから、『モスラ』や『妖星ゴラス』をソフト化する時には、本当は要するに『マルチチャンネル』で、『モノラル』と『パースペクタ』と『パーフェクトステレオ』を、ちゃんと入れて欲しいわけですよ...」 清水さん:「(笑)」 私:「そうですよね...やはり、存在するものならば、出来る限りの物を聴いてみたい、と言うか、欲しいですよね...。」 TORIさん:「商品として存在したわけですからね...当時は...。だから本当に『キンゴジ』の新しいブルーレイがどういう仕様で出してもらえるかが、ホントに...全てが掛かってますよね...。」 TORIさん:「画の修正で『キンゴジ』のブルーバックの調整みたいに、あの合成の色調整が『キンゴジ』は凄い効いてる...。」 清水さん:「あそこは...僕はあそこは微妙ですね...。」 TORIさん:「あ、そう?嫌い?」 清水さん:「いや、当時の改ざんになるかも知れないな〜と危惧してて...。『直した方がいいのか、まんまの方がいいのか』、ちょっと...。 僕は実は『キンゴジ』の時は『直すな!』って言ったんですよ。言ったんですけど、多分勝手に直しちゃってるんですよね...。」 TORIさん:「全然違うもん!」 清水さん:「落ち着く様な感じにしてるんで...。それやり過ぎると、ピアノ線消すのと同じになっちゃうんで...そこは難しいんですよね〜...。」 TORIさん:「だから、それは、あの〜、そうね...あの〜、土人のブルーバックがあれだけ...何だろう...合成の色が良くなってたのは、僕は嬉しかったですけどね〜...。」 清水さん:「ホント、何処まで復元するかって悩みなんですよね〜...。」 TORIさん:「特に『キンゴジ』は、ホントに大規模な...馬鹿みたいなブルーバックが有るからね〜...。」 清水さん:「そうですね〜...。」 TORIさん:「『馬鹿じゃないか!』って、あの〜...『特撮秘宝』に載ったんだっけかね...あの...ブルーバックの前で踊る土人達のスチール?」 清水さん:「はいはい。」 TORIさん:「あの〜...、『この規模のブルーバック...馬鹿だよな〜』って思って...。だからこれと『モスラ』ですよね、修復してほしいのは。 『ラドン』とかになると、その前の合成の黎明期だから。カラー調整そのものが更に難しそうだ。」 清水さん:「そうですね〜。うん...。」 TORIさん:「だから、『白夫人(の妖恋)(1956年東宝初カラー作品)』も本当は、あんな塗った色よりもっと綺麗なのかな、とか思ったりしますけどね〜...。」 清水さん:「(笑)」 TORIさん:「あれも、もうちょっとなんか...なんか自然な...逆にあれはなんか、自然な色で観てみたいって気はしますけどね...あの映画はね。それとも、どう直しても塗ったくった色は変わらないのか...。」 清水さん:「う〜ん...どうなんすかね〜...う〜ん...。」 TORIさん:「あと、あれは...、『怪獣王ゴジラ』のメインタイトルはどうなっているのかとか...。」 清水さん:「ん?メインタイトル...」 TORIさん:「だってほら、ボコボコに飛んでるじゃないすか...。」 清水さん:「あ〜はい...あれはでも...」 TORIさん:「だから、日本の字ネガに、例えば『GODZILLA』所に...下にさ、『怪獣王ゴジラ』って出るのか出ないのか...。」 清水さん:「それでも調べれば、すぐに出てくるんじゃないですか?...」 TORIさん:「うん、それが知りたいな〜って思って...。」 清水さん:「それは『怪獣王ゴジラ』の字ネガは残ってるから...」 TORIさん:「うん、そう言ってたから、あれをちゃんと足して、冒頭のあのボロッボロに欠けてる所だけでも...」 清水さん:「そうですね...うん...」 TORIさん:「うん...タイトルは、だから、日本公開時のタイトルは、『GODZILLA,THE KING OF MONSTERS!』だけなのか、ちゃんと焼いて、『怪獣王ゴジラ』って出てるのか...。」 清水さん:「その『GODZILLA,THE KING OF MONSTERS!』の所は、全く残ってなかったでしたっけ...」 TORIさん:「いや、数コマ...」 清水さん:「数コマでしたか...そうか...(笑)」 TORIさん:「(笑)」 清水さん:「いや、あれは復元しようと言ったんですけど、日本映画専門チャンネルが『面白いからこのままやろう』って言ったらしいですよ...(笑)」 私:「え〜〜そうなんですか...。。。」 清水さん:「最初はだから、字ネガが残ってるから、『怪獣王ゴジラ』の、『KING OF MONSTERS!』のアメリカのマスターに、字幕を被せて、シネスコにすれば復元が出来ると...。」 私:「あ〜はい、そうですね!」 清水さん:「エンディングだけはちょっと手間が掛かるんですけど...それ以外は復元出来るよって言ったんですけど、面白いからこのボロボロのまんま流して、『両方やっちゃいましょうよ』みたいな形でやったんですけれど。」 私:「あ〜〜そうなんですか〜〜!...。。。」 TORIさん:「でも『トランスワールドの配給マーク』ってのが付いてる『怪獣王ゴジラ(スタンダード版)』ってのも日専でしかやった事が無いわけだから...ソフトにもなってないですもんね。あれも貴重ですよね。」 筆者後記 この後も興味深いお話を、本当に楽しく面白く、聞かせて頂く事が出来ました! 例えば、一人で推測しながら、色々想像して、あれこれ記事を書く事も楽しいわけですが、この様にして実際に作業に携わられた方に、本当の「真実」のお話を聞くのは非常に貴重な体験だな〜......という事を、この時に物凄く思ったわけです...。 『書くなら、本当の...真実を書きたい』 という思いに駆られたのは、言うまでもありません...。 この時の、私のド緊張ぶりは、お二方に伝わっていたと思うのですが(実際、「しどろもどろ」でした...)、 お二方とも本当に心優しいお方で、こんな私にも沢山のお気遣いを頂いてしまい...、本当に恐縮しまくりでした...。 また次回、お会い出来る日が来ます事を願って!今日も「キングコング対ゴジラ」を観ます!! |