キングコング対ゴジラ オリジナル復元版 未編集プレス盤 |
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以下に「正規リリース盤」との主な違いについて簡単に触れる。 1.冒頭の伊福部昭さんのオープニングテーマ曲、及び「東宝マーク」の映像は16mm版を使用。16mm版、ニュープリント35mm版、共に音声はモノラルヴァージョン。 画像の通り、「東宝マーク」の映像は16mm版をそのまま使用してある。"正規リリース盤"では、この部分は差し替えられた。 2.「コング、東京へ」のシーンで、1カット存在しない。 キングコングが東京へ移動を開始する際の映像だが、下の通り、1カット足りない。
3.「退色16mmフィルム」について。 某会社からレンタルされたという、退色化した16mmフィルム。そもそもの「退色16mm」のフィルムのロール数に疑問があった。 この盤でしか分からない部分がいくつかあるので整理してみる。 ・ロール1のラスト、「重大ニュースはここだ!これ以上のニュースはない!」の部分。退色16mmフィルムは「これ以上のニュースはな」で切れている点。 ・LDB面から始まるロール5の冒頭部分にロール4のラストの音楽が残って聴こえている点と、"田崎潤総監"の「国連では、『このままゴジラを放置しておくことは世界の破滅になる〜・・・」のセリフで「国連では、『このまま」の部分が欠けている点。 ・ロール6とロール7の切り替わり部分の音声にノイズが多く発生するが、フィルム自体に大きな欠損箇所は無い。 (ちなみに、全長版のロール3、ロール4、ロール5のフィルムの最後に打たれた黒パンチは短縮版用のフィルムにもそのまま流用されたが、短縮版用フィルム製作時にも新たに打たれた黒パンチが2箇所あるので、総数で8箇所の黒パンチを確認する事が出来る) これらの事から推測するに、元のフィルムは正しく「7巻のフィルム」として保存されていたが、ライブラリー・映写用などの為に16mmに変換された際には、7巻では無く、もっと少ない「巻」で保存されていたのでは?と推測したくなる。少なくとも「ロール4」と「ロール5」は16mmの段階で繋げられていたと考えられるからだ。 この「オリジナル復元版」は、「退色した16mm版」と「ニュープリント35mm版」を別々にテレシネ作業を行い、その後にビデオ編集作業が行われたわけだが、「オープニング後の冒頭のシーンを2度繰り返す点」が、「キンゴジ・オリジナル復元版のLD盤」用に新たに作り直す事を前提とした物だったという事の証明に成り得ると思う。作業途中のテープ、或いはテスト用のテープであった事を裏付ける何よりの証拠と言えるのかも知れない・・・。 これらの作業を経て「正規リリース盤」の為の最終的な編集が行われていた事を知るのは実に興味深いし、とても貴重な事と思う。 2種類のフィルムは、縦横比がそれぞれ異なる為、映像が切り替わるとサイズも変化する。 |